温泉へGo! 序章
でも別に長風呂ってわけでもない。家の風呂ではカラスの行水だし、たまにあんまり長く入っているといつの間にか寝てしまって、明け方にすっかり冷めたお湯の中でがたがた震えてたりする。
20代の頃、東京にいた時は貧乏暮らしをしていたので(今でもだけどサ)、向日ヶ丘遊園の駅から徒歩2~3分のアパートに住んでいた。家賃2万(!)、四畳半、風呂なし。トイレ共同。友人の天野も同じ敷地内の向かいの部屋に住んでいたので、糸電話で「おい、おかずあるか?こっちは米あるから3合炊くからよ、おかず持ってこいや」と連絡をとって良く一緒に食べたものだ。
天野とはそれこそ「同じ釜の飯を食った」仲だったが、そのうち天野はだんだん有名になって出世して、池袋のライオンズマンションか何かに移ってしまった。自分は当時の会社の給料が滞り、わずか2万の家賃を6か月も貯めてしまったので、他の友人宅に転がり込んでいた。あるときこっそり自分の部屋に戻ったら、なんと部屋の扉を釘で打ちつけられていて、中に入れてもらえなかった事がある。
そんな貧乏暮らしのささやかな楽しみの一つがアパートのすぐ隣にあった銭湯だった。
部屋で寝ていると、寝返りをうった瞬間に銭湯に転がり落ちる位の近さだった。なわけあるか!
午後3時になると銭湯が開く。その開店をねらって良く行った。毎日来ている暇人がいっぱいいた。夜の商売人や、ご隠居じいさん、㋳の人、ボンクラ学生などなど。
カコーン、カコーンと桶を鳴らす音が響き、ざざ~と湯が溢れる。皆は47度の熱いお湯につかって無口で思い思いに人生の垢を流していた。汚れちまった、悲しみに…
自分も黙って熱いお湯につかり、これから自分はどこへ行くのだろう…とりあえず家賃は払っておくか…と瞑想にふけっていた。風呂の壁画は駿河湾から見た富士山で、ときおり無性に静岡に帰りたくなった。
銭湯はそんな東京でのほろ苦い思い出と共にある。
普通の銭湯は良いのだが、スーパー銭湯の類ははあまり好きでない。やはり自然の中でつかる温泉は格別なものだ。川や木々を見ながら、遠くの空や山を眺めながら、また本を読みながらぬるめの温泉につかる事が好きだ。てな訳で御殿場に帰ってからは、立ち寄りのひなびた温泉に好んで行くようになった。
温泉をえらぶ基準が自分なりにあって、
① 1000円以下。600円位なら尚よろし。
② 泉質重視。PH値が高いとワクワクする。
③ 子供(幼児含)がOKな所。子供料金が無料なら最高!
④ ぬる湯がある所。熱いお湯はちと苦手。
⑤ 御殿場から日帰りできる圏内。当り前か…
という比較的ゆるい基準で試した名湯を厳選?して少しずつ小出していくのがこの企画だ!
でも今日嫁さんが買ってきた「PH9.8 温素」という名の入浴剤で、すっかり温泉気分になった自分なのであんまりアテにならないかも…
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