昔は親父の影響か、無類のそば好きだった。鎌倉の二八そばや、浅草のザル発祥の店、三島の田中屋などに良く連れて行かれたものだ。
最近は値段の割に腹が膨れないからか、めったに食べにいかない。御殿場の蕎麦店も全て制覇したが、自分好みの店が見つからなかった。沼津の河岸の所に三橋そば、という店があり、そこのオヤジはタバコ吸って天婦羅を揚げていながら、全くもって威風堂々としていたが、全くもってそこの天丼とザルそばのセットは旨かった。朝っぱらから1400円出しても全く惜しくなかった。
しばらくしてから三橋は突然閉店してしまい、その次になんとか古式そば、というのが入ったが、そこは自分には合わなかった。
三橋のオヤジ、さんざん稼いだから引退でもしたのか、はたまた病気にでもなったのか、詳細は分からない。惜しい店を又一軒失ったもんだ。
うるさいチビ共を連れて高尚なそば屋に行くわけにもいかないので、外食はもっばらかっぱ寿司か、ラーメン屋か、チェーン店の丸亀うどんをローテーションしている今日この頃なんである。そしてそれにもさすがに飽きると、「あ~,旨いうどんが喰いてぇ~」と、車に乗り込むのだ。
山中を超えて、忍野に向かうと、そこに農家の集落があって、その民家の一軒が忍野うどんを食べさせてくれる「渡辺うどん」だ。

このお店は「知る人ぞ知る」的なお店でありながら、毎回来る度に、地元のお客さんで一杯なので、わざわざ自分のブログで紹介する程の事ではないし、かえって迷惑かもしれん。(でも自分のお店は宣伝してほしーな)

ここは、飲み友達かつ人生のハゲ師匠、勝亦看板の社長に教えてもらった。彼は絶対に全国チェーンのお店には行かず、個人店の旨い店を知っている達人でもある。しかし、その選択にはかなり個人差があるのだが。
その社長に、「この店は一回行っただけじゃ旨いとは分からねぇからよ」と言われた。ナヌ?確かに初めて食べた時は自分も美味しいとは思わなかった事を白状しよう。

肉玉の大(にくたまのだい、と注文しよう) 650円なり。
ここのうどんの特徴はまず、麺が太くて、歯応えがある事。山梨の名物うどんでほうとうがあるが、その麺に近い。ほうとうは味噌煮込みだが、ここは、かけ、か、冷やしでその太いうどんを食べるのだ。コシがある、ってレベルじゃない。初心者はまずそこでめげてしまうのだろう。ウチの親父なんか絶対に連れていけない。
次にだしだが、鰹ベース?に肉がこれ又馬肉を使っている、ようだ。肉入りを頼むと馬肉のコマ切れとキャベツが入ってくる。
もちろん自家製麺で、家族総出で打ちながら、茹でながら、盛りながら手際良く客をさばいている。見ていると、駐車場に客が来ると人数分をサッサと五右衛門風呂の様な茹で釜に入れている。そうでもしなきゃ茹できれないのだろう。厨房に二人、配膳に二人での無駄の無い仕事っぶりにいつも惚れ惚れするのだ。
そうそう、そんな事考えてないで頂きましょう。揚げかすをタップリ乗せて、この土地ならではの辛子味噌も添えて、鼻水啜って、ハフハフ言いながらうどんに食らいつくのだ。喉越しを愉しむなんてもんじゃない、厳しい寒さの中、重労働した後で、命の糧を腹いっばいに押しこむ様な食べ方が、一番ここには合っている気がする。
ちなみに営業は昼だけだと思います。
皆さん迷って探して下さいな。
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