Go! カナディアンファーム ⑤
再びカナディアンファームより。

カナディアンファームにはいくつもの施設が広い敷地に点在している。それは10年、20年とかけてハセヤンやスタッフ達の手作業でコツコツと作り上げたものだ。

その中に、今回自分が必死こいて皮剥きした松の木も、客席の二階に続く手すりとなって完成したようだ。

母屋の隣の建物をぶっ壊して、サンルームか何かを作る、ということで、基礎工事の手伝いもした。
これは全くの土木工事で、自分は何がなんだかさっぱり分からず、あまり面白くない、そしてキツイ仕事だったが、仕事を選べる身分じゃないし、いつか自分もセルフビルドで家を建てたい気持ちもあったので必死に食い下がった。

特にセメントを敷き詰める作業はキツかった。
氷点下近くの現場なのに、身体中から汗の粒が溢れ出し、セメントの中に吸い込まれた。
40歳の自分がキツイのだから、ハセヤンなんか、相当キツイだろうと思っていたが、黙々と仕事をしている。自分が来るちょっと前に二階の作業中にチェーンソーで足の骨まで達する怪我をしたらしいのだが、一向に休んでふて寝している所を見なかった。
自分が休んでちゃ仕事が始まらないし、終わらない、というのは全く同じだった。
それでもあまり慣れてない、というか全くの素人スタッフを指導しながらの作業は大変だったに違いない。専門職の人間にやってもらえば話は簡単だが、お金の面もあるのだけど、まず「自分たちの事は自分たちの力で」という信念と、「料理だけ、農業だけ、大工だけ、じゃないんだ。何でも出来れば良いじゃん」という、ハセヤンから僕らスタッフへのメッセージがあったかのように思う。

それでも三日目位になるとファームの生活に慣れたのか、緊張がほぐれたのと同時にテンションもやや下がり、御殿場の生活が少し恋しくなってきた。なにより子供達に会いたかった。電話も繋がらないし、メールも満足に出来ない。
仕事が終わってから近くの温泉に行った。
小さい息子を連れたお父さんが居て、楽しそうに、甲斐甲斐しく身体を洗っているのを見ていたら急に涙が出た。居候の太郎君に気づかれないよう、風呂の湯でざばざば顔を洗った。
帰りにコンビニに寄ったら、たかが二、三日のことなのに下界に降りた仙人のような気持ちになった。まるで浦島太郎だった。
アンテナが久しぶりに三本立ったので、家に電話した。外は寒く、温泉帰りの濡れた髪の毛が凍ってパリパリになった。家への電話は途切れ途切れになり、その度に何回も電話を掛け直した。
その夜、温泉帰りの僕らを待ってくれていたハセヤンと夕食を取り、酒を飲んだ。
飲んで行く内に取り留めのない話しが続いて、皆酔い、一人抜け、二人抜けして、気がついたら自分とハセヤンだけになっていた。
二人で泡盛を飲みながら、自分は将来への漠然とした悩みや、夢、その為にどうしなきゃいけないんだ、とか焦燥感などを、酔っ払ったついで、半ば本気でハセヤンに愚痴っていた。
呆れたような顔つきで黙って聞いていたハセヤンだったが、自分が話し終えると、
「うーん、何だなぁ、」
「ハイ」
「植村さんは人生急いでいるんですなぁ」
(; ̄ェ ̄)
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Go!カナディアンファーム 次回最終章
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